和歌山から仙台に越してきたのは2009年。
初めての町、初めての育児、元気すぎる1歳児、
交通量の多い表通りに面した、近所付き合いの薄い集合住宅、、、
そうした条件が重なって、もやもやうつうつとした毎日でした。
自宅から歩いて行ける場所に、そのお店はありました。
パティスリー アトリエ・ウフ
お店の中では、小柄でかわいらしいおねえさんが、
ケーキや焼き菓子を一人で作っていました。
元気すぎる1歳児とスーパーに行くのもおっくうだった私は、
ベビーカーを押して、しょっちゅうケーキを買いにいきました。
もやもやうつうつの、モノクロの日々のなかで、
後年そのお店はカラー映像で思い出せる、唯一の場所になりました。
3.11の2か月後、マイホームが建ち、南光台から少し遠くなりました。
お店に行く機会も減りました。
元気すぎる1歳児が6歳になったころ
わたしは「あとりえ青輝鳥」として仕事を再開しました。
先日、車でアトリエ・ウフの前を通ってみたら
珍しく開いていたので、ひさしぶりに
パティシエのおねえさんとお話をしました。
私のことを覚えてくれていて、再会を喜び合いました。
漆のアクセサリーを作っています、と名刺を渡したら
数日後「うちの店に作品をおきませんか」とお誘いをいただきました。
もちろん、「よろこんで」とお答えしました。
モノクロの日々に通っていた美しいケーキの店に
自分の作品が並ぶ日がくるなんて
想像もしていなかったので、嬉しくてたまりません。
シェルのちょうちょに蒔絵(まきえ)をしたシリーズを
置かせていただいています。
少しずつ、数を増やしていきたいです。
おすすめは、ずばり、アップルパイ!!
でも、みちよさんのケーキは、どれもほんとに綺麗で美味しいの。
ぜひご賞味あれ