Merryな冬じたく
終了いたしました。
ご覧いただいたすべての方に心より御礼申し上げます。
歩いているだけで一呼吸ごとにブラッシュアップされるような、不思議な感覚を覚える表参道から一本裏に入ると、ショップの並ぶ小路の奥には住宅があり、人のくらしの息づかいが感じられました。
ギャラリーはそんな場所にありました。
イベントでご一緒した作家さんたち、見に来てくださったお客さまから、たくさんの示唆に富んだ言葉をいただきました。自分に足りないものが、たくさん見えてきた6日間でした。
作品へのこだわり、ディスプレイの見せ方、写真の撮り方・・・
なかでも、古くからの友人ふたりとの再会が印象的です。
ふたりは互いに面識はなく、たまたま同じ日にギャラリーを訪れた縁で、私と3人で食事することになりました。
私にとっては大学時代と、小学校からの「同級生」。
でも気が付いてみれば、一人は外資ハイブランド、もう一人は呉服会社で、ジュエリー販売に長年携わってきた、いわば「同業者」でした。
そして今、漆のアクセサリーを作っている私。
ほんの1時間程度の会食でしたが、その内容と濃さは、友人として長い付き合いのなかでも、このタイミング、このメンバーでしか成立しえなかったものでした。
20数年ぶりに会った大学の友人が私に言いました。
「ぼくは今日、ギャラリーで見た君の作品でとても好きなものが2つあったし、買いたいと思った。
だけど、買いたい気持ちと、財布の中身って、一致しないことも多いよね。
それに、お客さんて、このアクセサリーを買うこのお金で、ほかのものも買える、
あんなこともこんなこともできる、って、すごく考えながら見てるんだよね。
それでもやっぱり、お金を出してこの人の作品を買いたいって思わせる人に、君がならなきゃ。
そういう、オーラをまとわないと。本気で売っていきたいと思うなら」
お客さまに『この人から買いたい』と思ってもらえる人にならなくてはいけない―
聞いたことのあるフレーズだし、私自身、いちおう、ふだんから意識していたつもりでした。
でも、ここまで深く、わかってなかった。まったく、足りてなかった。
自分は「作る人」だから、そこまで考えなくていいんだって、どこかで言い訳してた気もします。
きびしい世界で闘ってきた人のことばには、ものすごいリアリティーがありました。
オーラをまとうにはどうすればいいのか・・・
友人たちの変わらぬ友情に感謝しつつ、真剣に考えようと思います。