金継ぎの「やり直し」を
依頼されました
お客さま自身が
見よう見まねでやった
接着剤と合金粉のお直し
とれてきたので
漆でやり直してほしい、と
いったん、前のお直しを全てとる必要があるので
お湯で煮て、
カッターで削っています
そもそも金継ぎは
漆の接着力を利用して
焼物の割れや欠けやヒビを
くっつけたり埋めたりするもので
日本人が縄文時代から
持ち続けている生活の知恵に
蒔絵の技法があとから合流して
今の形になったんだろうと思う
金を蒔くのは目的ではなく
結果的に「あ、これ綺麗じゃん」
てなったという話であって
あくまで漆の接着力を利用することが前提
だから
漆を使っていないのに
金の粉(アルミかなにかの)を蒔くのは
本筋からすると
全くの無意味なんだよね
でも初めて見る人にとっては
金継ぎ = 金の線
それこそが「ザ・金継ぎ」
なんだなあ
それも無理からぬことだよね
だって「金継ぎ」って
言葉からしてそうだし *
金って綺麗だし、キャッチーだから、、、
カッターでカリカリしながら
そんなことを
つらつら考えていた
。。。だけどさ
持ち主さんが
愛用の器が壊れたのが
悲しくて、どうにかしたくて
見よう見まねでやったお直し
これはこれで、
「愛ある金継ぎ」
なんじゃないのかなあ
ほほえましいよね〜
* 本来は「漆つくろい」と言うそうです